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バレットジャーナルとは何なのか?

手帳術、ノート術

 バレットジャーナル。一冊のノート、一本のペンだけで始められて、フォーマット等を自分の好きなように自由にカスタマイズできることが魅力的なノート術の一つです。

 しかし、バレットジャーナルで調べてみると、綺麗なフォーマットを作って、可愛いイラストを付けて、カラフルなペンで彩ってなどなど、「簡単に始められる? 噓でしょ!」とでも言いたくなるようなものばかりが目に入ります。もちろんシンプルなものもありますが、色々と準備が大変そうで、自分に続けられるのかと思えるものばかりです。

 けれど、バレットジャーナルの考案者であるライダー・キャロル氏が書かれた『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』を読んでみたら、バレットジャーナルは自分が考えたいたものとは少し違うことが分かりました。

 そこで、私がこの本から読み取ったバレットジャーナルの本質、テクニックの部分ではなく「バレットジャーナルとは何なのか?」について紐解いてみたいと思います。

バレットジャーナルとは

 バレットジャーナルの考案者であるライダー・キャロル氏は本書の中で、バレットジャーナルのことを『頭のなかを整理するために編みだした究極のノート術』と表現しています。

 つまり、スケジュール管理、日記、備忘録、ToDoリストなどなど、散らかりがちな情報を1冊のノートに綺麗にまとめる方法を体系化したものがバレットジャーナルということです。「いやいや、そんな当たり前のことわかっている」という人は多いと思いますが、意外とこの本質が重要視されていない気がします。

 そもそもライダー・キャロル氏は注意欠陥障害(ADD)で、今やるべきことに集中するのが苦手な自分を助けるために、試行錯誤を重ねてバレットジャーナルを生み出しました。ADDでなくても、目の前にやるべきことがあるのに、他のことが気になって集中できないという人は多いと思いますし、私もその一人です。

 そんな人のために、バレットジャーナルでは自分の頭の中の思考を1冊のノートに置いておくことで、頭の中からその不安を取り除き、今やるべきことに集中するように手助けする。つまり、頭の中を駆け巡る「あれをやらなきゃ」「これが心配だ」という思考を一旦頭の中から取り出すことがバレットジャーナルの意義であり、目的なのです。

 そのため、バレットジャーナにおいて重要なことは2つだけで言い表すことができます。

バレットジャーナルにおいて重要なことキーワード

①何でもノートに書き出す。(できだけ素早く=バレット(箇条書き)、ラピッドロギング、キー)

②書き出した情報を整理する。(インデックス、各種ログ、マイグレーション(移動))

「バレット」ジャーナルは何でも書き出す

 先に述べたようにバレットジャーナルの目的は頭の中から思考を取り出すことです。つまり、思考を取り出すためにバレットジャーナルは最適化されていることになります。その最適化の方法がバレット、つまり箇条書きです。

 あまりバレットジャーナルをご存じでない方のために補足すると、バレットジャーナルの「バレット」とは弾丸のことです。勿論、そのままの意味ではなくて、箇条書きをする際に頭につける「・(ドット)」のことをバレットと表現しています。

 このノート術を表す言葉の中にも「バレット」が入っていますから、この「バレット」つまり箇条書きがバレットジャーナルにおいてどれだけ大切なことなのかが分かります。バレットジャーナルではこの箇条書きを毎日するために、デイリーログというページを用意しています。

 また、思考を素早く書き出す工夫として、ラピッドロギング(素早くメモする方法)やキー(メモの内容をラベリングする方法)などが紹介されていますが、これらも全て「何でもノートに書き出す」ことを円滑にするための工夫でしかありません。

 バレットジャーナルにおいて最も重要なことは「何でもノートに書き出す」、この一言に尽きます。

 頭の中の思考を全てノートに書き出し、今やるべきことだけを考えている状態にする。これがバレットジャーナルが目指すべき姿と言えるでしょう。

情報の取捨選択でバレットジャーナルは完成する

 バレットジャーナルでは何でもノートに書き出すわけですが、何でも書き出すからこそ、その情報は玉石混合。勿論、ノートに書き出しただけではただのメモであり、本当に重要な情報を見つけ出すことは難しいです。だからこそ、バレットジャーナルでは情報を整理する方法にも重きをおいています。

 それが「マイグレーション(移動)」です。これはデイリーログに記録した情報を、本当に必要なものかどうか判断するための作業です。判断するというと難しそうに聞こえるかもしれないですが、やることは簡単です。デイリーログに記録した情報を他の場所に書き写すだけです。

 バレットジャーナルでは、毎日のことを記録するデイリーログのページのほかにも、マンスリーログ(1か月の予定を管理するページ)、フューチャーログ(来月以降の予定を管理するページ)、コレクション(関連のあるテーマについて記入するページ)などがあります。

 例えば、とある日のデイリーログに一週間後の予定「・○○映画を見る」と箇条書きしたとします。それは一週間後の予定なので、マンスリーログにその日の予定をそのまま書き写せば良いです。他にも、その日やろうとした作業が終わらず、明日にもしなければいけなくなったときは、次の日のデイリーに書き写すことになります。こんな風にデイリーログに記入した情報を他の適切なページに書き写す作業が「マイグレーション(移動)」ということになります。

 普通のスケジュール手帳を使っている人なら「なぜ書き写すという面倒なことをするのだろう。最初からマンスリーログに書き込めばいいのに。」と思うかもしれません。しかし、この面倒な作業をするということが大切なのです。

 ライダー・キャロル氏は本書で次のように述べています。

生産性をあげるとは、取り組む作業の的を絞り、ごくわずかな物事に取り組むことだ。

 しなければいけないと思っていることが、本当は自分にとってそれほど重要でないことがあります。それを、書き写すという面倒な作業を行うことで、本当にこの作業は書き写してまでやり続けなければいけないのだろうか、と考えるきっかけになるのです。

 つまり、この非効率的な作業をすることが、むしろ自分が大切なことに集中するために、必要なことになるのです。

 バレットジャーナルは全てを手書きすることになるので面倒くさいと考えている方も多くいるでしょう。実際、私もスケジュールなどの一部はコピーしたものを張り付けたりして、負担を軽減する工夫があっても良いと思います。しかし、全てを手書きするからこそ、自分が記入する端々まで意識を向け、無駄なことがないか考えさせられることで、本当に大切なことに目を向けることができると言えるかもしれません。

最後に

 バレットジャーナルについて、その本質「バレットジャーナルとは何なのか?」を自分なりに考えたことを簡単にまとめてみました。

バレットジャーナルにおいて重要なことキーワード

①何でもノートに書き出す。(できだけ素早く=バレット(箇条書き)、ラピッドロギング、キー)

②書き出した情報を整理する。(インデックス、各種ログ、マイグレーション(移動))

 バレットジャーナルとは、頭の中を全て1冊のノートに書き出し、それらの情報を取捨選択することで、自分が本当に大切だと思っていることに目を向けさせるノート術だと私は解釈しています。

 勿論、世界中の人々を魅了するノート術ですので、私がここで語りつくせなかった魅力はもっとたくさんあるでしょう。けれど、本質的なところに目をむけると、やはりこの点がバレットジャーナルにおける特徴的な部分だと考えます。

 もし、バレットジャーナルに興味を持っていても、ハードルが高そうでチャレンジできていない方がおられれば、この点を意識しながら、シンプルでもバレットジャーナルを始めてみていただけると、少しは続けられるかもしれません。そんな方の一助になれば私も嬉しいです。

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